春は沖安
ようよう解れた胸、少し空けられ、紫だちたる煙の細くたなびきたる

夏は沖安
ポアロクスはさらなり、やみもなほ、精液の多く飛びちがひたる
また、ただ一つ、二つなど、ほのかに涙うち光るて行くもをかし
雨など降るも服透けてをかし

秋は沖安
夕日のさして山の端いと近うなりたるに、探偵団の家へ行くとて、
ばいばい、またねなど言葉交わしたるさまさへあはれなり
まいて残されて沖安二人、手など重ねたるを、いと小さく見ゆるはいとをかし
日入り果てて、ねやの声、結合部の音など、はた言ふべきにあらず

冬は沖安
雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、

二人羽織、いたずらに閨に引き入れられ下より突き突きし
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、突かれたる腰痛みになりてわろし