だいぶ前に書き込んだレインボーケーキネタです
はぁ疲れた…
せっかく赤井が休暇を取って来てくれたというのにやっと帰宅出来たのは日付が変わる寸前だった
案件が立て込んでいて休暇を取れそうにないどころか定時退庁すら危ういので時期をずらして欲しいと言ったがなぜか赤井は譲らなかった
いつもは僕の頼みを優しく微笑んで聞いてくれるのにと思ったが会えるのはもちろん嬉しかったので受け入れたのだ
「ただいま…」
小声で告げながらそっとリビングのドアを開けるとパン!という破裂音と共に細い紙テープが舞った
「え?!なに?!」
「HappyBirthday!れいくん!」
赤井がテーブルの上の得体の知れないカラフルな物体を両手で持ち上げて微笑んだ
「君の為に作ったバースデーケーキだ」
派手なクリームで虹色に彩られたそれはケーキだったのか
ヘンテコリンなケーキですね
なんですかその原色のクリームは
ちっとも美味しそうじゃないですよ
でもとっても嬉しいですよ
ありがとう
そう言って笑おうと思ったのに口からはうぇっうぇっという嗚咽が漏れて目から夥しい量の涙が零れていた
「すまないっれいくん!やはり酷すぎる出来だったか?」
赤井が慌てふためいてオロオロとしているのを見て僕まで慌ててしまいしゃくり上げながら慌てて言い訳をした
「ち…違うんです…ぼ…僕バースデーケーキなんて生まれて初めて作って貰ったので…嬉しくて」
ケーキを置いた赤井が壊れ物の様にそっと抱きしめてくれた
「君は色んな初めてを俺の為に取っておいてくれるんだな ありがとうれいくん」
いつもの様に軽口も叩けず僕は暖かな赤井の胸で頷くだけだった