「受けはキスされるの好きみてぇだし、受けの全部に、キスしてやるからな」
「ん?」
 唇にいっぱいキスして貰ったし、顔や角にもキスは貰った。他にキスされるところなんてあるのだろうか。
「受けのイキ顔も、可愛いくて、ぞくぞくした。もっと見せてくれな」
 何だろう。攻めの声は相変わらず優しくて、頭の角のあたりを撫でてくれる手も温かいいつも通りのものなのに、なんだか怖い気がする。逃げなければならないような気がする。
「攻め……?」
「はじめは、普通のキスからだな」
「受けは、子どもが出来にくい種族であること気にしてたけど、出来るまで、いっぱい注いでやるからな」
受けの子どもなら、絶対可愛いもんなと微笑む攻めを、霞む視界の中で見上げながら受けは、自分はこれから大変なのかもしれないと、ぼんやりと考えた。
(食べられちゃう気持ちって……こんな感じなのかな……)
「魔人族は、見た目以上に頑丈な種族だからな……もっと激しくしても大丈夫だろうから……今度、もっともっと激しいのも教えてやるからな」
 ウキウキと弾む声音の攻めは、どこか楽し気な様子だった。