月末の金曜夜20時
わらしのスマホが震える。
画面にはやさおねメッセージの受信を知らせる文字。
わらしがいつものサイゼリヤに到着すると、仕事帰りと思われるスーツ姿のやさおねは既にベロベロに酔っ払っていた。
わらしはボックス席の向かいに座った。
しょうがないでしゅねえ、今日はわらしがやさおねをしてあげましゅかぁ。
「ビョエエエエエエ最近人手不足で過労死しゅるよぉ…働いても給料上がんないしぃ…」
「だからぁギスに転職すればっていつも言ってるでしょぉ」
「やらやらやらやらビョエエエエ😭」
「んもーいつもと立場逆なんだけどぉ…はいよちよちいいこいいこ」
「えへへ…ギスおねちゃんしゅき…むにゃ…」
「はぁん寝ちゃったのぉ?……寝顔は子供の頃のまんまだねぇ…あっお会計お願いしましゅ」
わらしはやさおねの財布からさっと1万円札を抜き取り会計を済ませた。
「ほら帰るよぉ。これはひとつ貸しだからねぇ」
やさおねをおんぶした首筋のあたりでふふふとかすかな笑い声が聞こえた気がした。