彼は田舎の村人全員の顔を把握しているような小さな集落の出身でした
ある日彼の幼馴染みの少年が神隠しにあいました
村人たちは7日7晩寝ずの番で必死に捜索しましたがついぞ幼馴染みが見付かることはありませんでした
村人たちはとても悲しみましたが捜索が打ち切りになった8日目に様子が変わりました
誰に聞いても「そんな子はいない」「なんのことだ?」と居なくなった幼馴染みを知らないというのです
初めからそんな子はいなかったと
彼は混乱し必死に訴えました
みんな昨日まで一生懸命探してたじゃないかそれも忘れてしまったのかと
大人たちは少し黙りそれから口々に言いました
「なんで覚えているんだ」「困ったなどうしよう」「まずいことになるぞ」「なんでだ」「なんでだ」「おい本当に覚えているのか」
おかしな様子に怖くなった彼は自分も忘れた!とその場を逃げ出しました
それから大学進学のために村を出るまでずっと幼馴染みのことを忘れた振りをし続けました
村を出て数年後彼の元にあの幼馴染みの母親の葬儀の連絡が来ました
久しぶりに村に帰り葬式に参列すると声をかけられました
「よお久しぶり」
それは幼馴染み本人でした
彼は咄嗟に「ごめん久しぶりだから覚えてないや誰だっけ?」と答えました
すると幼馴染みは「良かったちゃんと忘れているな」と笑いました
それから毎年彼の元には"幼馴染みの母親の葬儀の連絡"が届くそうですが彼は二度と帰らなかったそうです