お許しを得た?ので散らかします!
片付けません


「今日はずいぶんとご機嫌だな」
「ふふ、君と旅行なんて久方ぶりだからな。しかもこんな豪華客船の旅だなんて一生ものの思い出になる」
猗窩座見立ての立派な衣装を着た杏寿郎は朝からずっとご機嫌だ

それを見る猗窩座も気分が良く、ポニーテールに結い上げたお陰ででチラチラ見えるうなじに手を伸ばし
自分が施した赤い跡にそっと指を這わせた

船旅という閉ざされた空間でこれからしばらく顔を合わせる事になる乗客へ
杏寿郎の美しさを惜しげもなく披露し欲望を植え付けつつ赤い跡をチラリとさせる事で
手に入れる事は叶わないという絶望感を与える作戦だ

周囲の杏寿郎への熱い視線を見るに作戦は成功をおさめたようだ
こいつらはきっと露出の少ない杏寿郎の衣服の中に点在しているだろう赤い跡を想像しているに違いない

「船酔いが心配だったが杞憂のようだな」
「問題ない。君も大丈夫そうだな」
「俺は酔っているぞ」
「そうなのか?そうは見えないが…大丈夫か?」
「あまり大丈夫ではないな。周囲のヤツらも似たような状態だろうがな」
「部屋に戻って少し横になるか?」
「そうだな、横になろうか」

熱い視線を向ける多勢へ不敵な笑みを見せつけながら杏寿郎に促され広間を後にした