柿右衛門の目に焼き付いたのは
闇夜に白くひるがえる羽織と燃えるような赤い目であった
柿右衛門が赤絵を極めようと釉薬の研究に埋没し現代まで続く柿右衛門様式を確立させたのはこの出来事がきっかけと言われている
美しい白磁に描かれた鮮やかな赤絵は評判となったが当時の柿右衛門は
「あの夜に見た剣士の瞳と燃えるような刀の赤色はこんなものではなかった。
あの色を再現するには命があと100年あっても足りぬだろう」と語っている

民明書房刊「有田焼の裏歴史」より