断袖(ドゥアンシウ)
「断袖(ドゥアンシウ)」の文字通りの意味は袖を断つ、つまり「袖を切り落とす」ことですが、この行為が別の意味を含むようになったのは、「漢書」の有名な故事に由来します。
漢の時代、哀帝は董賢という美青年を寵愛し、片時も離れず常に一緒に過ごしていました。昼寝から目覚めた時、哀帝は董賢が自分の袖を体の下に敷いて寝てしまっていることに気づくと、彼を起こさないように、わざわざ袖を切り落としたほどでした。
この故事から、「断袖」といえば「男性同士の愛」の隠喩となりました。
断背(ドゥアンベイ)
中国では「断背(ドゥアンベイ)」という言葉も「男性同士の愛」を意味します。
分桃(フェンタオ)
中国で「断袖」と同じ意味で、同様に長い歴史がある言葉に「分桃(フェンタオ)」があります。これも韓非子の「説難」に書かれた有名な故事に由来します。
弥子瑕という名の美青年が衛の国の君主の寵愛を受け、何をしても許されていました。
弥子瑕から食べかけの桃をもらっても、衛君は彼が美味しい桃を全部食べずに我慢して、自分に分けてくれたと喜んだのです。ところが、弥子瑕の容貌が衰えると、衛君の寵愛は薄れ態度がガラッと変わります。
桃を分けてもらった美談も、食べかけの残り物を食べさせられたと、衛君は非難するようになったのでした。
この故事は日本では「余桃の罪」と呼ばれ、君主の寵愛は気まぐれで頼みがたいという意味で知られていますが、中国では「桃を分ける」=「分桃(フェンタオ)」が「男性同士の愛」の代名詞となったのです。