咀嚼とは臼歯で食物を細かく噛み砕き、すり潰すことである。
食物の表面積が増すので唾液との接触面積も増え、丸呑みにくらべて消化効率がよい。
恒温動物は変温動物にくらべて10倍も多くのエネルギー(食物)を必要とする。
咀嚼という口腔内消化をすると、胃や腸に送られる食物の消化時間が短縮できる。
咀嚼という効率の良い消化方法は哺乳類の恒温生の基礎となった。
丸呑みのときの歯の役割は捕らえて逃さないためのものなので、何本か欠けても問題はない。
ところが咀嚼では杵と臼のようにペアとなって働く必要があるので、相手がいないと意味が無い。
そこで生え変わりの回数も1度だけに減少したとされている。
多生歯性から二生歯性への進化、つまり代生歯の数の対価は哺乳類の大きな特徴の一つである。