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その3か月後、藤子ファンの間で「富山事件」と呼ばれるハプニングが発生する。

テレ朝版の放送が日本各地で始まっているというのに、日テレ版が富山テレビで再放送されたのだ。『ドラえもん』の原作者、藤子・F・不二雄さん(本名:藤本弘)は激怒したという。

私は2007年に、藤子作品のアニメ化に関わっていた小学館元専務の赤座登(あかざ・のぼる)さんに取材したことがある。赤座さんは「藤本先生は大変お怒りになっていました」と振り返っていた。

「藤本先生は旧作の内容が全く気に入っておらず、『原作とは似て非なるものだ』とおっしゃっていました。『たしかに一度は許諾して作ったものだけど、私が作った原作のイメージと全然違うし、放送して欲しくない。できたら何とかしてほしい』という意向でした」

日テレ版をめぐって、藤本さんが所属していた藤子スタジオとアニメ会社は契約書を交わしておらず、口頭での契約だったという。藤子スタジオは小学館と連名で「再放送は許諾できない。法的措置も考える」と、富山テレビに内容証明を送って抗議したと赤座さんは明かしている。