人間なら友達が見えなくても、声を聞けばそこにいるとわかるだろう。ハンドウイルカもそうだが、それだけではない。なんとおしっこの味でも、遠くにいる友達の存在を認識できるという。

 よく知った仲間の尿だと、時間をかけて味わうのだ。

 イルカ8匹に仲間とそうでない個体の尿を与えてみたのだ。すると仲間のものの場合、3倍も長くそれを”味わう”ことがわかったのである。

 イルカ同士の付き合いでは、あごで生殖器に触れることがよくある。もしかしたら、このときに相手の尿の味を覚えているのかもしれない。
(中略)

 さらに意外にも、人間の肥満についても示唆に富んでいる。実はイルカの尿の脂質の識別にはある遺伝子が関係しているが、それと同じものが人間にも備わっているのだ。それは十分に食べたかどうか人体に知らせる役割がある。

 イルカのこの遺伝子を調べることで、食べ過ぎてしまう人がいる理由についてヒントが得られるかもしれない。

 もう1つ推測できるのは、原油などによる海洋汚染は、イルカのこの能力を阻害してしまうだろうということだ。