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2019年に『ポルノグラファー』(丸木戸マキ著)というBLコミック作品を映像化しました。男性同士の恋愛話ですが、それが男女の組み合わせでもストーリーが成り立つと思えました。
2人がなぜ出会って、なぜ惹かれていくのか、その心理描写がしっかりとしていました。それで映像化しようと思ったわけです。
逆に、面白いが、ありえないような設定の作品は、僕はあまり好きじゃない。もちろん宇宙人が出てきたり、タイムスリップするドラマの中にもきちんと成立しているものもあるので、そういう設定がすべてダメとは言いませんが。
「ポルノグラファー」もきわどいドラマだと話題になりましたが、「刺激」は映像化にあたっての最優先ではないんです。
刺激というものは、あくまで「視聴者の皆さんがどう感じるか」という結果ですから。「ポルノグラファー」は基本的にラブストーリーとして成立していたから映像化したのです。
同じBLでも大ヒットしていた「おっさんずラブ」がコメディーでしたから、逆に原作通りの典型的なBLに寄せようとしただけです。
だから原作にあるラブシーンも全部カットしない。きわどさよりも、ここまでやってくれた!と原作好きの人に思わせることが大事だと思いました。
結局、原作や原作ファンへのリスペクトがあるから映像化するわけで、リスペクトがなければ黙ってオリジナルドラマを作ればいい。原作の設定だけいただきストーリーは別、というドラマは作りたくないんですよ。