リヴァイは言い、エレンに目配せした。エレンはうなずき、立ち上がるとミケとともに医務室に向かった。
「俺も行くよ!」
ハンジとモブリットも立ち上がり、廊下を駆けていった。
リヴァイはため息をつくと、再びベッド脇の椅子に腰掛けた。
アルミンはアルミンで、自分の感情を持て余していた。
エレンが巨人化したとき、ミカサは真っ先に飛び出した。
リヴァイ班の先輩たちも、エレンを守るために戦った。そして、自分も……。
でも、自分は動けなかった。何もできなかった。ただ、見ていただけだ。
エレンを守るどころか、自分のせいでエレンを傷つけてしまった。
(僕が……、もっと強ければ……!)
アルミンは拳を握った。爪が掌にくい込み血が滲む。それでも力を緩めることができなかった。
そのとき、エルヴィンの手が伸びて、アルミンの腕を掴んだ。
驚いて見上げると、エルヴィンは真剣な表情をしていた。
アルミンはハッとして手を離す。すると今度はその手を掴み、エルヴィンは自分の胸に引き寄せた。
アルミンの頭がエルヴィンの胸に押し付けられる。
「苦しいッ……」
アルミンはうめいた。心臓の音が聞こえるほど近くにいるのに、こんなにも遠い。
この人はもう二度と戻ってこないかもしれないのだ。