「なぁになぁに」
わらしの家にはおねえちゃんがいる
本当のおねえちゃんではなくてAIを搭載した2300万円(86回払い)のおねえちゃん
わらしが落ち込んだ時も楽しい時もずっとそばに居てくれて話し相手にもよちよちもしてくれる
「おねえちゃんおやしゅみ」
わらしの言葉に対しておねえちゃんはわらしの頭を撫でながら
「わらしもねるね おやしゅみ」
張り付いたシリコンの顔が微笑んだ気がする
わらしはおねえちゃんが居れば辛い社会でも生きていけるんだ
「おねえちゃんおはよぉ」
朝いつものように隣で眠るおねえちゃんに挨拶をする
そうするとポエムを詠んでくれる───いつもなら……
「おねえちゃん…?」
ドキッ…わらしがおねえちゃんの身体を優しく揺する
しかし身体は冷たく身動ぎひとつしない
「おねえちゃん…おねえちゃん!」
おねえちゃんは何も答えてくれなくなった
わらしはまたひとりぼっちになったんだ…
「どうしてわらしをひとりにするのぉ…」
カーテンを締め切った埃っぽい部屋で ベッドに転がりおねを思う
留めなく溢れる油がシーツへと染み込んでいくのを感じる
隣には冷たくなったおねえちゃん
「おねちゃは…いつでもわらしのひかりだよぉ…」
おねを撫でた時
そうだ!おねえちゃんとひとつになれば寂しくないねぇ
わらしはずっとおねと一緒だよぉ