「放せ! 悪魔……!」
「大人しくしろ」
フロックの罵声には耳も貸さず、エルヴィンは彼の両手首を縛り上げた。それから猿ぐつわを噛ませ、椅子に座らせる。
暴れるのを押さえ込むために、エルヴィンは肩で息をしていた。
「おい、大丈夫か? 」
「ああ、平気だよ」
心配して駆け寄るリヴァイに微笑みかけ、額の汗を拭ってやる。
「それより、これからどうするんだ」
「とりあえずここを出るしかないね。でも見張りもいるし、正面突破は無理だろう。だから……」
そう言うなりエルヴィンはリヴァイを抱き寄せると、頬に手を添えて上向かせた。
「ちょ