昭和の作文
・・・
小学五年になって一ヶ月、こんな自由作文を書いた。
「今年から担任になったみちこ先生は、とてもこわいです。
一つ忘れ物をすると、ぶん殴ります。
二つ忘れ物をすると、ひっぱたきます。
三つ忘れ物をすると、何をされるかわかったもんじゃないです」
この作文をみちこ先生に提出した俺は救いようのない大バカ者だ。恐れを知らないというか・・・
数日後、みちこ先生は、クラス全員の前でその作文を読み、しかも、その作文を書いたのが俺であることも宣言した。
ただし、これ以降、みちこ先生は、何故か、ぶん殴りもひっぱたきもしなくなった。
後から聞いた話では、その作文を読んだ隣の組の担任の先生は大爆笑したらしい。