厚生労働省の委託事業を巡り、水増しした実績を報告して金をだまし取ったとして元社長の男らが逮捕された事件で、警視庁捜査2課は1日、詐欺の疑いで、コンサルティング会社「ランゲート」（本社・京都市）元社長の大中忠生容疑者（63）ら男2人を再逮捕した。
6月11日、警視庁目黒署に入る大中忠生容疑者＝東京都目黒区で（平野皓士朗撮影）

　再逮捕容疑では、2022年4月、厚労省の委託事業「就業環境整備・改善支援事業」を受注した際、厚労省から概算払いで事業費約3億3363万円の振り込みを受けた後、経費を水増しして報告し、計約4330万円の返還を免れて詐取したとされる。
　同課によると、社員名義でつくらせた実体のない会社（ペーパーカンパニー）5社を介して水増し請求書を作成していたという。同社は2019〜23年度、厚労省から192事業（総事業費82億円以上）を受託していたが、事態を把握した厚労省は今年1月、同社との契約を解除した。
◆「国がどうして委託するか不思議だった」
　同社と契約し、今年3月に講座を開いてもらう予定だったキャリアコンサルタントの40代男性のもとには2月末、中止の連絡が同社から届いたという。すでに支払った交通費などは返還されていない。男性は本紙の取材に「ランゲートの良くないうわさはあり、国がどうして委託するのか不思議だった。二度と国の事業には関わらないでほしい」と憤った。
　大中容疑者らは2021年4月、厚労省の別の事業を巡って4164万円を詐取したとして、先月11日に同容疑で逮捕されていた。

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