0001逢いみての… ★2023/04/04(火) 23:58:15.97ID:CAP_USER
イソギンチャクは「脳」がなくても、過去の経験から学習できるようです。
スイス・フリブール大学(University of Fribourg)の研究チームは、イソギンチャクの一種である「ネマトステラ(Nematostella vectensis)」が古典的条件づけにクリアできることを発見しました。
古典的条件づけとは、パブロフの犬でおなじみの学習形態であり、犬に餌を与える前にベルの音を鳴らし続けると、今度はベルを鳴らしただけで唾液が出るようになるというもの。
つまり「ベルの音→餌がもらえる」という連合学習が行われたことを意味します。
研究主任のシモン・シュプレヒャー(Simon Sprecher)氏は「脳がない動物でも高度な学習ができることの証拠だ」と話しましたが、ネマトステラでは具体的にどんな学習がなされたのでしょうか?
研究の詳細は、2023年3月20日付で科学雑誌『PNAS』に掲載されています。
学習能力は生命の大きな武器であり、あらゆる生物が程度の差こそあれ、この能力を持っています。
学習は主に2つのタイプに分けられます。
1つは「非連合学習(non-associative learning)」で、もう1つは「連合学習(associative learning)」です。
前者はいわゆる反射行動のことを指します。これは単一の刺激に対する非常にシンプルな学習であり、神経系だけの単純な生物でもできます。
たとえば、目に風が当たることで瞼を閉じる行動や、熱いものに触れたときに手を引っ込める行動は、非連合学習と言えます。
一方で後者の連合学習は、複数の出来事の間の関係性を学習する必要があることから非連合学習よりも遥かに複雑です。
先の古典的条件づけの他に、「道具的条件づけ」も挙げられます。
これはある行動に対する罰や報酬を与えることで、行動を強化したり、弱化させたりする学習のことを指します。
たとえばサルに対し、LED点灯時にボタンを押すとバナナを与え、LED消灯時にボタンを押すと電気ショックを与えた場合に、サルはLEDが点灯した場合のみボタンを押すようなります。
連合学習は内容によっては細胞などにも見ることはできますが、基本的に刺激と反応を結びつけて記憶を形成する必要があるため、難易度が高く「脳を持つ動物でないとできない」と考えるのが普通でした。
神経系の発達により進化した脳は、過去の出来事を記憶したり、AとBの間のつながりを見つけるのを得意としています。
動物に芸を仕込む場合でも、基本的には道具的条件づけを利用し、エサと芸を結びつけて学習させます。
私たち人間が学習をする場合も、基本的にはこの連合学習が関連してきます。
しかし、すべての動物に脳があるわけではありません。
イソギンチャクやクラゲなどの刺胞動物は分散した初歩的な神経系しか持たないため、研究チームも「単純な反射レベルでしか行動できず、連合学習は不可能だろう」と予想していました。
ところが、ネマトステラは予想を覆す驚きの結果を示したのです。
チームは今回、スペイン・バルセロナ大学(University of Barcelona)と協力し、ネマトステラに古典的条件づけ学習ができるかどうかを検証しました。
実験では18匹のネマトステラを対象に、光と電気ショックを同時に与えて両者の刺激に関連性を持たせるグループと、間隔をあけることで2つの刺激に関連性を持たせなグループに分けて実験を行いました。
そして2つのグループそれぞれに、光だけを当てたときにどんな反応を示すようになるか調べました。
その結果、光と電気ショックを同時に与えられたネマトステラは、光に反応して即座に体を縮めるなど、強い行動変化が確認できたのです。
具体的には、光と電気ショックを同時に受けた個体は、72%が光だけで触手を大きく後退させるなどの反応を見せました。
刺激に間隔を開けたグループでも光刺激に反応する個体はありましたが、それは約30%に留まり両グループの間には光の刺激に対する反応に2倍以上の開きが見られたのです。
また、光と電気ショックを同時に受けたグループの方がより大きく触手を後退させていました。
シュプレヒャー氏は「ネマトステラもパブロフの犬と同じように、光と電気ショックがセットで起こることを学習したと言える」と述べました。
続く
以下ソース
https://nazology.net/archives/124299
スイス・フリブール大学(University of Fribourg)の研究チームは、イソギンチャクの一種である「ネマトステラ(Nematostella vectensis)」が古典的条件づけにクリアできることを発見しました。
古典的条件づけとは、パブロフの犬でおなじみの学習形態であり、犬に餌を与える前にベルの音を鳴らし続けると、今度はベルを鳴らしただけで唾液が出るようになるというもの。
つまり「ベルの音→餌がもらえる」という連合学習が行われたことを意味します。
研究主任のシモン・シュプレヒャー(Simon Sprecher)氏は「脳がない動物でも高度な学習ができることの証拠だ」と話しましたが、ネマトステラでは具体的にどんな学習がなされたのでしょうか?
研究の詳細は、2023年3月20日付で科学雑誌『PNAS』に掲載されています。
学習能力は生命の大きな武器であり、あらゆる生物が程度の差こそあれ、この能力を持っています。
学習は主に2つのタイプに分けられます。
1つは「非連合学習(non-associative learning)」で、もう1つは「連合学習(associative learning)」です。
前者はいわゆる反射行動のことを指します。これは単一の刺激に対する非常にシンプルな学習であり、神経系だけの単純な生物でもできます。
たとえば、目に風が当たることで瞼を閉じる行動や、熱いものに触れたときに手を引っ込める行動は、非連合学習と言えます。
一方で後者の連合学習は、複数の出来事の間の関係性を学習する必要があることから非連合学習よりも遥かに複雑です。
先の古典的条件づけの他に、「道具的条件づけ」も挙げられます。
これはある行動に対する罰や報酬を与えることで、行動を強化したり、弱化させたりする学習のことを指します。
たとえばサルに対し、LED点灯時にボタンを押すとバナナを与え、LED消灯時にボタンを押すと電気ショックを与えた場合に、サルはLEDが点灯した場合のみボタンを押すようなります。
連合学習は内容によっては細胞などにも見ることはできますが、基本的に刺激と反応を結びつけて記憶を形成する必要があるため、難易度が高く「脳を持つ動物でないとできない」と考えるのが普通でした。
神経系の発達により進化した脳は、過去の出来事を記憶したり、AとBの間のつながりを見つけるのを得意としています。
動物に芸を仕込む場合でも、基本的には道具的条件づけを利用し、エサと芸を結びつけて学習させます。
私たち人間が学習をする場合も、基本的にはこの連合学習が関連してきます。
しかし、すべての動物に脳があるわけではありません。
イソギンチャクやクラゲなどの刺胞動物は分散した初歩的な神経系しか持たないため、研究チームも「単純な反射レベルでしか行動できず、連合学習は不可能だろう」と予想していました。
ところが、ネマトステラは予想を覆す驚きの結果を示したのです。
チームは今回、スペイン・バルセロナ大学(University of Barcelona)と協力し、ネマトステラに古典的条件づけ学習ができるかどうかを検証しました。
実験では18匹のネマトステラを対象に、光と電気ショックを同時に与えて両者の刺激に関連性を持たせるグループと、間隔をあけることで2つの刺激に関連性を持たせなグループに分けて実験を行いました。
そして2つのグループそれぞれに、光だけを当てたときにどんな反応を示すようになるか調べました。
その結果、光と電気ショックを同時に与えられたネマトステラは、光に反応して即座に体を縮めるなど、強い行動変化が確認できたのです。
具体的には、光と電気ショックを同時に受けた個体は、72%が光だけで触手を大きく後退させるなどの反応を見せました。
刺激に間隔を開けたグループでも光刺激に反応する個体はありましたが、それは約30%に留まり両グループの間には光の刺激に対する反応に2倍以上の開きが見られたのです。
また、光と電気ショックを同時に受けたグループの方がより大きく触手を後退させていました。
シュプレヒャー氏は「ネマトステラもパブロフの犬と同じように、光と電気ショックがセットで起こることを学習したと言える」と述べました。
続く
以下ソース
https://nazology.net/archives/124299