それではいきます。

夢の話になります。

私は一時期、「聖域」と名前をつけたスポットで猫を沈めていました。
捕獲した猫を、捕獲器に入ったまま連れていき、静かに厳かに、聖域の生贄として沈めるのです。
水の中に沈めるのですから、猫の汚れた断末魔の叫びなど聞こえません。
捕獲器が見えなくなるまで沈めますから、ガチャガチャ、バシャバシャという忙しい音も聞こえません。
僕と猫以外、誰もいない聖域で、猫は静かに消えてゆくのです。

皆さまはここで、聖域とはどのような場所を想像しましたか?
もちろん私が勝手にそう呼んでいるだけですので、現実に存在する、ごく普通の場所です。

正解は、海の波打ち際です。

夜中に行くと、木々が揺れる音と、波の音しか聞こえません。
近くに民家がありませんから、車の音は当然、人の一切の生活音は聞こえません。
そんな静かな場所ですから、聖域と呼んでいるのです。

夜、少し離れた場所に車を停め、海辺へ降りる階段を下っていきます。
すると、ザブン…ザブン…と静かに波の音だけが聞こえてくるのです。
上を見上げれば、満天の星空です。