>>156
そろそろ終盤になります。
読んでくださっている方、ありがとうございます。
長いですから、掻い摘んで飛ばし飛ばし読んでくださっている方も、ありがとうございます。

それでは改めてもう一度、ビクティムの顔を晒しておきます。
みなさん、こいつですよ!
https://imgur.com/a/3uG7Vuj



真夜中の公園。
檻に入ったビクティム。
コンビニで買った新聞紙とライター。


そう、私は一度でいいから猫を燃やしてみたかったのです!

絶対に一目に付かない
屋外でないとできない

この二つは絶対条件ですが、なかなか環境の確保が難しい。
でも私が害獣駆除を始めてから一番好奇心をくすぐられていたのが、猫の生き焼きです。

今まさに、ビクティムと二人きりで夢の時間が始まろうとしています。
まぁ夢の中なんですけどね。

車のトランクから降ろされたビクティムは、周囲を見渡し、
地面に下ろされると、根拠もなしに逃げれると思ったのか、固く閉ざされた出口に一度力強く突進し、
力強く、頭をぶつけ、そして諦めました。

そして頭を低い位置に下ろし、体を屈めて私を見上げ、何をしてくるのかと探りながら怯えている様子です。
極度に緊張しているのか、時々ペロリと舌を出したりしています。

私はビクティムと初めて出会った時のことを思い出しました。
あの日、ビクティムは石段の上から私と、私の友人を見下ろしていました。
その時、私は感じました。「この黒猫に見下ろされているのではなく、見下されている」と。
その時、ビクティム自身がどう思っていたかは知りません。
私が見下されていると感じた時点で侮辱罪なのです。
害獣にとって生きていることそのものが罪なのに、侮辱罪なら死刑です。
酌量の余地などありません。

私は公園にあったコンクリートブロックを四つ、長方形に置き、その上に箱罠をそっと載せました。
そしてコンクリートブロックで作ったカマドに新聞紙と落ち葉をたっぷりと仕込みました。
箱罠は皆さまもご存じの通り、外が丸見えの檻ですから、ビクティムはその様子をずっと見ていました。
ですが、まだ何が起きるか知らないでしょう。
そもそも火というものを知らないでしょう。
これから私がビクティムに初めて「火」を見せてあげます。

私はビクティムの心の準備を待たずに着火しました。
そして炎は勢いよく燃え始めました。