>>227

グツグツグツグツ・・・・

ティファールのケトルが勢いよく音を立て始めました。
注ぎ口からは大量の湯気がのぼっています。

gatoちゃん待っててね。これが欲しかったんだね!

これを浴びればもっと元気になるからね。
体調整えてあげる☆

私はケトルを外し、暗闇を照らすランタンのように右手にケトルを掲げながらネズミ色のもとへ戻ります。
まあ真っ暗ですけどね。

ネズミ色はこっちを見ながら待っていました。
私はわざと、箱の周囲をくるくると歩いて周回します。
ネズミ色はそれに釣られて箱の中で体を一生懸命翻しながらずっと私の方を見ています。

そうだね、視線を背けたらその瞬間、背後から熱湯を浴びれることをちゃんと分かっているんだね☆
そんなに熱湯を注ぐ私の手元が気になるのかな?

ネズミ色は一瞬たりとも私から目を逸らそうとしません。
目を逸らしたらその瞬間に何かが始まるということを直感しているようです。

まあ目を逸らさなくても始まるんだけどね☆ はいっ!☆

ザバァッーー!!


ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ァァァァァァウ!!!!


ものすごい声量です!
どこにこんな声を溜めていたのでしょうか!
こいつはオペラ歌手でも夢見ていた時期があったのでしょうか!

ネズミ色はお湯を浴びた瞬間に絶叫しました。

早朝の大絶叫です。

これでは近所迷惑になりかねませんね。

私は急いで箱の取手を掴み、いつもの農具用倉庫へ走りました。
ネズミ色は箱の中でのたうち回ったまま、私の手元で運ばれていきましたw