>>23

私は目の前のビクティム2に対してわざとらしく無関心をふるまい、
スッ…と背を向けて立ち去る素振りをしました。
ゆっくりと歩き出す私は箱罠に背を向けてはいますが、
その背後の状況は手に取るようにハッキリとイメージできました。

「今この瞬間、もうすでにビクティム2は箱罠に寄り付いているだろう。
私が箱に背を向けた瞬間、吸い付くように箱へ駆け寄り、
今はその箱の中にある餌をどうすれば盗れるか、図々しく調べているに違いない」

猫の習性なんてそんなものです。
理解してしまえば基本はワンパターン。

ひとまず私は、このビクティム2が常識の通用しない奇行種ではないことを祈りつつ、
なるべく手間なく捕らえることができればそれでいい、といったことを考えていると、
その、ものの数秒後に反応がありました。


カシャーンッ!!!


続く