>>72

でもなぜでしょう。
カラスは賢いのですから、一つの餌場を荒らされたところで、
また新たな別の餌場をすぐに開拓できそうなものではありませんか。

「君たちは賢いんだから、そんな餌場の一つや二つくらい、猫に奪われたって・・」
そう思いかけた私が愚かでした。

やはりカラスは賢かったのです。
易々と自分たちの餌場を奪われるくらいなら、人間を味方につけて猫たちに立ち向かえばいい
という考えが私には分かりました。

人を味方につけてしまえば、彼らにとってもう怖いものはありません。
その賢さに私は胸を掴まれました。
仮にカラスたちが都合の良いように私を利用しようとしていたとしても、
そんなことはどうでもよいのです。私はいつだってカラスの味方です。
そしてどんな事情であれ、例外なく私は猫の敵です。

私はその、荒らされているというカラスの餌場に足を運ぶことにしました。


続く