0037名無しさん@ピンキー
2025/12/27(土) 18:14:15.75ID:GzU6xh8j数年前の春の話なので、どこかしらで同じ話を掲げたかもしれないが、その時はすまん。
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袋には体調が悪化すると外敵から身を守るために姿を隠すという習性がある。
木造建築戸建の床下・屋根裏で死骸が見付かるのはこの習性が起因しているのだが、この習性といい感じに適合した毒物がエチレングリコール、通称EG。
この板にいる人達に説明は不要だろう、駆除ボラ達の強い味方である。
低コストで高効果、無臭で様々なエサとも合わせやすい。
摂取してから効能が緩やかに現れるため、上記の習性と合せると隠密性も高く保てるという優等生。
EGの有用性が知られて長く使われ続けているのもむべなるかな。
ただ、私はEG摂取をした袋が虹る瞬間を見たことが無かったため、当時の苦手板(園芸板だったかも)で得た情報に対して半信半疑だった。
これから長く使い続けるであろう道具に対して疑問を持ち続けるのは嫌だったので、実際に使用する前に袋を捕獲して実験することにした。
3000円の格安捕獲機をネット注文し庭にセット、そしてわずか数日で小振りな茶トラがヒットした。
子袋にしては大きく、成袋にしては小さい。生後4ヶ月程だろうか。
ともあれ出だしは順調そのもの。防刃手袋と安全靴を装着して気分よく作業へと移行するのだが、直後に問題が発生する。
箱を庭からガレージへと移す際、袋が突然暴れ出す。
扉へ頭を押し付けながら体を強引にくねらせ、あっという間に出てくる頭。
捕獲機の扉の閉まりが若干ゆるかったのは確認していたが、まさかここから出られるとは。
驚いて箱を落としてしまい、その衝撃も手伝ってか体まで外に出始めていた。
咄嗟に足で頭を押さえつけて脱出阻止を試みる。
しかし、残念ながら咄嗟に加減できるほど自分は器用ではなかった。
足裏から球を転がすかのような感覚が伝わり、割箸を数本まとめてへし折ったような音が。
袋はくぐもった短い悲鳴を発し、尿を散らしながら両足をばたつかせ始める。
捕獲は失敗に終わった。
時計回りする天然スプリンクラーは、半径1メートルほどの放水を180°ほど行ったところで停止。
ここでも前知識の無さを痛感する。
汚れたジーンズを見てエプロンを付けておくべきであったと後悔するも覆水盆に返らず。
動かなくなった袋をそのままゴミ袋へ放り込み部屋に戻る。
これが大きなミスだと気付いたのは次の日のことだった。
早朝にゴミ出しを済ませようとしたら、なんとゴミ袋が破れて中身が散乱。
原因はゴミ袋へ突っ込んだ袋。なんとまだ生きていたのだ。
内側で相当もがいたのだろうか、体全体が油をふき取った雑巾のようになっいる。
荒々しくではあるが、しっかりと呼吸している袋。
持ち上げてもピクリともしなかった袋が、まさかここまで盛り返すとは。
ゴミ出しを済ませた後で動きだしていたら…背筋に冷たいものが走る。
ゴミが散乱した程度の事で済んだのは不幸中の幸いと言えるだろう。
「生きていることを真っ先に私に知らせてくれてありがとう」
そう袋に感謝しつつ、車の後輪付近に移動させ、そのまま頭を轢きつぶす。
文句なしの虹。朝の時間は貴重なので早さ重視のドメ刺しとなった。
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袋の馬力と柔軟性に対する認識の甘さ、そして処理後の確認不足が敗因だった。
箱罠は頑丈な物を新調し、扉の対策としてインシュロックも購入。
袋は最低でも10分は沈め、その後死亡確認を念入りに行うようにした。
対策の甲斐もあってか、これまで箱罠から脱出できた袋はいない。
これから箱罠を購入する人がいるのであれば、開閉扉周りを入念にチェックしよう。
そして、脱出を予防するなにかしらの手段を用意することもお勧めする。
本当に動かなくなったのかの確認もお忘れなく。
なお、この話はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。