それぞれ1間ほどの入り口の扉は開け放たれて、引き手と呼ばれる年配女性の隣には、肌の
露出も露わな現代の遊女が愛想を振りまく。
 それにしても、町中で見かけたら思わず鼻の下が伸びてしまいそうな綺麗な女性もちらほら。
私も10歳いや5歳若ければ、躊躇なく目星を付けた女性目当てに、つかの間の逢瀬を堪能し
たに違いない。
 営業していた店は、全部で30軒ほどだろうか。かんなみ新地をぐるっと一巡したところで、未
だ営業中の喫茶店が目に留まった。右隣と向こう正面には、ち○んの間が張り切って営業中。
本来の目的ともいえる新地メシの探訪にお誂向きの店と言えそうだ。
 引き手婆のお誘いトークを交わしつつ、店内に足を踏み入れると、目の前のキッチンカウンタ
ーで調理中のおかみさんがギロリと一瞥。