「助けろよ」コロナ感染拡大のタイで死亡の日本人男性は叫んだ 海外年金暮らしで見舞われた不運
連載「旅をせんとや生まれけむ」 AERA 2021.7.16
https://dot.asahi.com/dot/2021071500116.html?page=1

入院までのIさんの世話をしたAさん(51)は、いまでも彼が発したその言葉がふっと蘇ってくる。

Aさんはサービスアパートに勤務している。Iさんはそこに10年以上暮らしていた。
ロングステイビザをとり、物価の安いタイで年金暮らしを選んだひとりだった。
この制度は20年ほど前にはじまった。当初は60歳代をタイで暮らし、70歳以降の本格老後は日本というスタイルが推奨されたが、実際は70歳をすぎてもタイで暮らす老人は少なくなかった。

「タイの病院は金ばかりとる。俺は嫌だ」