「豊かな地域に住む人は格差拡大を是認し、貧しい地域に住む人は再分配を求めがちです。
問題は、富裕層と貧困層が混在せず、住み分けるようになることで、お互いに共感が生まれなくなる。
私は以前、工場跡地を大規模開発した高層マンションに住んでいたのですが、地域のお祭りで記念撮影する際に周りに住んでいる旧住民を除いて撮ったり、
『税金をたくさん払っているのだから、区の行政サービスを優先的に使わせるべきだ』といった主張をする人を見てきました」
国が所得格差による差別を是認したようにしか思えないケースもあった。
東日本大震災で電力不足に陥ったとき、23区内では一時、荒川区と足立区が計画停電の対象になったが、理由は「都心部ではないから」と報じられた。
これに対し「東電は周辺区を見くびっている」と両区長は猛反発した。