リトアニア、対ロ警戒消えず NATOの「アキレスけん」―不安広がる国境の町
2022年09月17日
https://www.jiji.com/sp/article?k=2022091600825&g=int

バルト3国の一つリトアニアでは、ウクライナ侵攻に踏み切ったロシアへの警戒が続いている。
リトアニアは6月、欧州連合(EU)が制裁対象とする物資を積んだ貨物列車が同国経由でロシアの飛び地カリーニングラードに入ることを禁止。これにロシアが反発し、危機感が高まった。
カリーニングラードにつながるリトアニア・ポーランド国境地帯が、防御の脆弱(ぜいじゃく)な北大西洋条約機構(NATO)の「アキレスけん」であることも懸念材料だ。

カリーニングラードに隣接するリトアニア南西部キバルタイの鉄道駅を訪れると、サンクトペテルブルク発の列車が停車中だった。人けの少ない構内は国境警備隊が監視の目を光らせ、緊張感が漂う。
降車するロシア人乗客はいない。貨物列車の通過禁止は緩和されたが、1日12便程度だった本数は半減したという。

列車が通過してきた首都ビリニュス駅のプラットホームでは、ウクライナ紛争の負傷者や破壊された街の様子などの写真がフェンスに張られている。
ロシアからの乗客に、自国メディアでは報じられないロシア軍の残虐行為を見せる狙いだ。
ロシア人は「歓迎されざる客」と化している。