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キバルタイの対ロ国境近くのアパートに住むジタ・ヤヌクニエネさん(84)は「侵攻後1カ月ぐらいは、きょうにもロシアが攻めてくるのではと怖かった」と話す。
今は切迫した状況にないが、それでもプーチン大統領が今月初旬にカリーニングラードを訪問した際は「何か起きやしないかと、窓を開けて様子を確認した」という。

以前はカリーニングラードまで安いウオッカなどを買いに行く市民もいたが、今は様変わりした。
国境に近づく人も少ない中、ウクライナからの避難民のヴァディムさん(54)は「敵側を見に来た」とフェンス越しにロシア側をにらんでいた。
「プーチンはウクライナを奪い取り、ここに攻めてくるつもりだった」と語気を強めた。

◇最も危険な場所
ゆるやかな丘陵が広がり、牛の鳴き声だけが響くのどかな光景が地平線まで続く。カリーニングラードとロシアの同盟国ベラルーシに挟まれた約100キロのリトアニア・ポーランド国境地帯は「スバルキ・ギャップ」と呼ばれる。
ロシアに制圧されれば、バルト3国と他のNATO加盟国が分断されるため、欧州の戦略的要衝の一つだ。