分解調査で分かった中国新興EVの割り切り
2023年2月21日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ167BY0W3A210C2000000/

中国製の電気自動車(EV)はつくりにどんな特徴があるのだろうか。
新興EVメーカー、上海蔚来汽車(NIO)の多目的スポーツ車(SUV)「ES8」を分解調査した。
分かったのは走りに関わる基本機能ではコスト削減を優先する一方、搭乗者の手や目に触れる部分には高級感を持たせた割り切りの車づくりだった。

価格は日本円換算で1000万円ほどと、中国で近年需要が増えている高級SUVの一つに位置付けられる。

しかし、走る・止まるなどの基本機能は「1ランク下のEVと変わらない」。例えば、ES8に搭載されたEV用の駆動装置「eアクスル」は、過去に調査したNIOの1ランク下のSUV「EC6」のものとほとんど同じだった。

eアクスルの主な構成部分であるインバーターの中身は、独インフィニオンテクノロジーズの汎用パワー半導体のほかは中国製の電子部品ばかりだった。
異なる車種に類似の駆動装置を載せることでコストを削減できる点を除けば、これといった特徴がないという。