通貨に5000億分の1の価値しかなくなった。そこまでいくのにかかった時間はたったの5年である。そのような状況下で、印象的なことが三つある。

三つ目は、インフレの原因であるはずの通貨の過剰発行を、原因ではなく解決方法だと思っていたということだ。
インフレの入り口は良かった。国債を発行しマルクが国中に溢れた。失業率は低下し、株価も上がった。ところが次第にそれに歯止めがきかなくなる。

ハイパーインフレの後、ヒトラーが台頭しナチスドイツが誕生して、そしてユダヤ人迫害が起きていく。
人間性も通貨も、お互いが信じあうことで成り立っている極めて危ういものなのだ。