彼は全否定するけれど、勇退したあともなお、
集う女性受講生を気に掛ける彼を許せなかった。

その執着が尋常ではないと思うと言うと、「○子には関係ないじゃん」ですって。

関係ないじゃんって言われたのこれで2回目だなって振り返る冷静さの中で、この一年の自分の奔走が急によぎってとても滑稽に思えてきた。

あれから、奥様がデーサービスで出かけた日には電話がかかってくるけれど、一切出ていない。
これでいい、これでいい。これでいいんだ。