「√p[n] が Q(√p[1],…,√p[n−1])の元でないこと」

n=1のとき√p[1]がQの元でないのは明らか。

1≦n≦kのとき√p[n] が Q(√p[1],…,√p[n−1])の元でないとする。
このとき√p[1],…,√p[k−1],√p[k]はQ上一次独立になる。
そこでこのとき
「自然数nに対してa∈Q(√p[1],…,√p[n])ならば、
a^2は有理数の二乗又はそれにp[i]いくつか掛けたもの、
または無理数」
を示すことができる。

それからここではp[0]は1ということにしておきましょう。

a∈Q(√p[1],…,√p[n])ならば∏[i∈U]√p[i] (U ⊂ {1, …, n})の
いくつかの項の和になっているはずだけど、
もしこれが一つの項だとすると、
a^2は有理数の二乗又はそれにp[i]いくつか掛けたものであることは明らか。
あとは項の数が2つ以上のときにa^2が無理数であることを、
nに関する帰納法で示すわ。
項数2のとき、n[1],n[2]を異なるΠp[i]とすると、
a[1],a[2]∈Qに対して
(a[1]√n[1]+a[2]√n[2])^2
=n[1]a[1]^2+n[2]a[2]^2+2a[1]a[2]√(n[1]n[2])
ここでn[1],n[2]の取り方から√(n[1]n[2])はルートが外れず無理数となる。
項数kのとき、(a[1]√n[1]+…+a[k]√n[k])^2が無理数であるとすると、
項数k+1のとき、
(a[1]√n[1]+…+a[k]√n[k]+a[k+1]√n[k+1])^2
=(a[1]√n[1]+…+a[k]√n[k])^2+n[k+1]a[k+1]^2+2(a[1]√n[1]+…+a[k]√n[k])a[k+1]√n[k+1]
となるが、はじめの
(a[1]√n[1]+…+a[k]√n[k])^2
は仮定により無理数、
うしろの
a[1]√n[1]+…+a[k]√n[k])a[k+1]√n[k+1]
は、展開したときの各項はnの取り方から全てルートが外れない異なる無理数の項であり、
はじめの無理数の項はkC2個、うしろの無理数の項はk+1個で
個数が異なる(k=2, 3ではkC2<k+1, k≧4ではkC2>k+1)ため、
全てのルートが打ち消されることはない。
よって全体として無理数であることがわかる。


n=k+1のとき、
もし√p[k+1] が Q(√p[1],…,√p[k])の元であるなら
あるa,b∈Q(√p[1],…,√p[k−1])に対して
√p[k+1] =a+b√p[k]
変形して
a^2+p[k]b^2−p[k+1]+2ab√p[k]=0
よって2ab=0かつa^2+p[k]b^2−p[k+1]=0
a=0またはb=0であるから、
もしa=0ならp[k]b^2=p[k+1]となるが、645よりこれはありえない。
もしb=0ならa^2=p[k+1]となるが、これも645よりありえない。
以上より、√p[k+1] は Q(√p[1],…,√p[k])の元ではない。