つづき
>ℤ[α]というのは、あくまでαを文字と見た多項式の集合なの?
それとも、そういう多項式のαに特定の値を入れてできる数の集合なの?
この疑問、言われてみて、これは非常に重要な、
ハッキリさせておかなければならないことだと気づいたわ。
基本的にℤ[α]でもℤ[x]でもなんでも、ℤ[(何か文字)]と書けば、
(何か文字)の多項式環なのだけれども、
ℚ[X]/(P)やℤ[X]/(P)においてはdegP以上の次数の多項式は
P=0という関係式でdegP未満の次数の多項式と等しいことになるから、
degP未満の次数の多項式からなる環、ということになるわね。
さらにPが既約であれば、この場合だけは『特別』で、
Pの任意の根αを一つ持ってくれば
ℚ[X]/(P)やℤ[X]/(P)はℚ(α)やℤ[α](特定の値を入れたもの)
と「自然に同型」になるから、これらを同一視しても構わない、ということ。
Pが既約でない場合、同型が成り立たないから、
ℚ(α)やℤ[α]と同一視することは出来ないわ。
「そもそもPが既約でない時は、αなんて持ち出すのはナンセンスだから」
というのは、そういうこと。

うさぎの出してくれた例で言えば、
P(X) = (X^2-2)(X^2+1) = X^4-X^2-2を考えると、
Pの根は±√2と±i の四つよね。
ℚ[X]/(X^2-2)はℚ(√2)ともℚ(-√2)とも自然に同型、
ℤ[X]/(X^2-2)はℤ[√2]ともℤ[-√2]とも自然に同型になるから、
例えばℚ[X]/(X^2-2) = ℚ(√2)、ℤ[X]/(X^2-2) = ℤ[√2]
と書いてしまっても(勿論√2でなくて-√2でも構わない)代数的には差し支えないけれど、
ℚ[X]/(X^4-X^2-2) や ℤ[X]/(X^4-X^2-2) は、X^4-X^2-2と0を同一視はしているけれど、
(X^2-2)と(X^2+1)のどちらか一方を0と同一視しているわけではなく、
単なるこの環の元である多項式に過ぎないから、
例えばℚ(√2)やℤ[√2]、またはℚ(i)やℤ[i]なんてものを考えても、
それはℚ[X]/(X^4-X^2-2) や ℤ[X]/(X^4-X^2-2) とは全く別物、同型ですらないわ。
ℚ(√2)とℚ(i)、ℤ[√2]とℤ[i]もそれぞれ同型じゃないしね。
それでこの場合、[X^2-2]と[X^2+1]はどちらも零元ではないが、
零因子になるわね。だからℚ[X]/(P) や ℤ[X]/(P) は整域ですらない。

こんな感じで疑問は解消されてくれるかしら。
ちなみに次の段の
>あなたの説明から、各 P_i に対してあるモニックの F_i ∈ ℤ[X] があって、
F_i(f) ≡ 0 (mod P_i) となることがすぐわかる
って、アタシのどの説明から、どうしてそれが言えるのかよくわからないわ。
そもそも多項式環て、多項式を一つの元としてしか見たことなくて、
多項式の変数に他の多項式を代入するなんて、
今回の問題に出会うまで考えたこともなかったわ。
ここ、もう少し丁寧な説明お願いできるかしら。
それからまた一週間くらい書き込み難しくなるかもしれないけど、
時間に余裕ができれば書き込めるかもだけど、そこんとこよろしくね。