零因子という用語についてもうちょっと調べてみたの。
零因子に0を含めるWikipediaの定義は、ブルバキによるものみたいだわ。
零因子の英語はzero divisorだから「零を割るもの」「零の約数」って意味なのね。
そして、0でない零因子は nonzero zero divisor、零因子でない元は non-zero-divisor、と非常に紛らわしいわ。
で、本棚の肥やしになってた MacLane & Birkhoff (AMS) を調べてみたら、0を含まないように零因子が定義されていたわ。
気になったから、とあるサイトでいろいろな代数の本(Lang, Hungerford, Dummit & Foote, Herstein)を
ダウンロードして調べたら、すべて0を除外する定義だったわ!
だからきっとブルバキ原理主義者以外には、あなたの用語の使い方の方が標準的なんだと思うわ。
別の本棚の肥やし Michael Artin著 “Algebra” 第1版 (1991) はブルバキと同じで0を含めていて、
そこに興味深いコメント(これもおそらくブルバキのぱくり)があったわ。
The term “zero divisor” is traditional, but it has been poorly chosen, because actually every a∈R divides zero: 0 = a0.
(zero divisor という用語は伝統的だが、お粗末に選ばれた用語だ。なぜなら、どの a∈R も0を割るからだ。)
でもネットでArtinの第2版 (2010) をダウンロードししたら、0を除外する定義に変わってて、上のコメントも無くなってたの!
確かにいつも nonzero zero divisor とか早口言葉みたいなもの言ってられないものね。
同じ数学用語でも、本や人によって意味が微妙に変わる場合もあるという例ね。
354 = 365 の問題は、二通りの全然違う解き方ができて
ものぐささんのおかげでアタシは環論にも少し触れることができて勉強になって良かったわ。
だけど、365の人は >>366 ですでにひとつの答えを出していて、これも気になってたのよね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/有限生成加群
を見ると、
・Aを有限生成R加群である
・AはR上有限生成環かつRの整拡大である
のふたつが同値である、と書かれてて、366のリンク先はこれを利用しているのよね。
で、Wikipediaで引用されている Kaplansky をダウンロードしてちょっと見てみたの。
おそらくだけど、ℤ[X]/(P) がℤ上整である証明は、ℤ[α]がℤ上整であることの証明と同様にできるっぽいわ。
ℤ[α]がℤ上整であることを示すには、1, α, …, α^{n-1} が基底となる(有限次元になる)ことを使うわけで
上の議論では、ℤ[X]/(P(X)) ≅ ℤ[α] であることを言うために、Pが既約であることを要求したのよね。
でもℤ[X]/(P) の元はすべて n-1次以下の多項式と同一視できるから、1, x, …, x^{n-1} がℤ[X]/(P)の基底となって
あとはℤ[α]のときの証明と同様にできるっぽいわ。この場合、Pが既約かどうかは関係ないのよ。