■「(翔平は)僕にツンデレなんだよ」

「当初は二刀流に多くの方が反対して、著名な方であればあるほど、どちらかに集中させるべきだという意見でした。
でも栗さんは、最初から最後まで信じ抜いていた。はたから見ていてそこに何の迷いもなかったです。
大谷選手についてはよく『野球の神様から預かった選手』という表現をされていましたね。
昔から栗さんは『野球の神様』の話をするんですけど、心の底からその存在を信じているんです。見えざる手、大きな存在というものを。
大谷選手についても、その見えざる手に導かれ、大きな流れの中で自分が関わる運命にあるのだ、という信念を持っていたように思います。
自分が育てる、ということではなく、その才能を目の前にして彼の生きる道を信じる、そのお手伝いをするんだ、と。まさに“無私の境地”なんだろうな、と感じていました」

「栗さんは大谷選手が『僕にツンデレなんだよ』とおっしゃってますが(笑)、それは2人の間に凄く固い絆、信頼関係があるからこそですよね。
WBCについても監督就任にあたって、大谷選手と同じユニフォームが着られると信じて監督をする、だから頑張ると決めたんだ、というふうに聞いています。
記者会見で大谷選手と親子のように並んでいる姿を見たら思わず笑ってしまいました。喜びを隠しきれない、栗さん最上級の幸せ、というような顔をされていて。
それが私も本当に嬉しかったです」