なぜ被害者の胸にDNAが付着したかについての、被告人側が次のような主張です。
・手術の当日、起床時の身支度以降は手術の直前まで手を洗わなかった
・ニキビを潰したり、ひげを触ったりする癖がある

手術当日の午前中には多数の患者を診察し、触診もあったのに、手術の直前まで手を洗わなかったというのは、ちょっと信じられません。
一審判決でも当然「医療従事者の行動としてにわかに信じ難い内容」と断じられています。

高裁判決では、「ふざけんな、ぶっ殺す」という発言の記録がカルテには残っていないこと、
さらにカルテでは被害者がせん妄状態だったとする記述もなく、
むしろ「術後覚醒良好」という記載があったことを指摘しています。

カルテに「術後覚醒良好」と書いていた看護師が、その後弁護士や病院スタッフと話したあとで
「半覚醒状態だったと思う」と証言を変えたことについても、一貫した証言とは言えないと判断されました。

ネット上では「再鑑定不可能」の誤解も拡散していた
また、ネット上では鑑定資料が廃棄され、再鑑定が不可能であるという誤解も拡散されていました。
被害者側を支援する弁護士が「鑑定資料を再鑑定できないかのように報道されているがそれは間違い」と会見で言及するほどでした。
https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/20200713-00187930/