人は残念ながら社会に属さなければ生存できない生物である。
我々が昼行性の霊長類に生まれついた時から、その定めは決まってしまった。

しかしながらその社会を己で改め、主体的に関われる点は、誇ってもよい人の
数少ない長所に分類されるべきであると思われる。
この長所は、社会に帰属せねばならぬ欠点を補ってあまりあるものであろう。

--「『幻想の河をこえて』萩野憲二」より抜粋--