21世紀初頭−−
中東の政変に端を発した世界経済の混乱は極東の島国、ここ日本にも影響を与えていた。
旧関東勢力を北海道に追いやった旧関西政府出身者を中心とする現日本政府はリビア反政府軍への支持表明の遅れから石油確保のためのパイプを失い経済的に失速。
一方、いち早くリビア反政府軍への支持を打ち出した蝦夷自治政府は中東との間に太いパイプを確保、本州への石油輸出によって現日本政府に対抗しうるほどの経済力の強化を成し遂げていた。
石油を軸にした蝦夷と日本政府の危ういながらも調和の取れたパワーバランス。
これを築いたのは一人の男の活躍によってであった。
水木俊治元飛行予備生徒。
旧関東政府崩壊の後、中東へ渡った彼が何を見て何を成したのか。
これは、砂漠を第二の故郷と定めた男の熱き生きざまの物語である。
「群青の空を越えてU〜怪鳥は熱砂を翔る〜」