持ち主のあらゆる願いを叶える「聖杯」
サーヴァントと契約を交わした7人のマスターが、聖杯を巡る「聖杯戦争」に参戦する。
「貴方、早く召喚しないと、死ぬわよ」
四郎と通りすがった小さな少女が言った。
四郎にはその意味がわからなかったが、わかろうがわかるまいが、開戦の日は訪れた。
クレオパトラや小野小町、楊貴妃やヘレネーに襲われ、
四郎は命からがらに自宅の倉に逃げ込んだ。
手にはその日買ってきたエロゲーが封も切られないまま握られている。
(ここまでか……)
四郎が諦めかけた、その瞬間、倉の床に描かれた模様が光り輝いたかと思うと――
どろろ〜ん、目の前に美少女と美女が現れた。
「僕、男なんですけどね」
「私です。わ・た・し」
「え?」四郎は状況がつかめない。
「それでは四郎様、この娘をよろしくお願いいたします」
「ど、どうも〜。サーヴァントの瑞希です」