亀だけど、ハイドリヒ卿を理解するには『自滅因子』っていうのを理解しないといけないと思う。
神座におわす覇道神の自滅因子は神の自壊衝動が形を成したもので、神と世界を破壊する宿業を担っている。
特にメルクリウスは「死にたがりの神格」と呼称されるくらい自滅願望が強い(ただしマリィに抱かれて死ぬ以外を絶対認めない諦めの悪さも併せ持っているからこその永劫回帰なんだが)

そんなメルクリウスの自滅因子なハイドリヒ卿は本気を出すと文字通り世界を『壊して』しまう。「柔肌を撫でただけで何故砕ける」は比喩でもなんでもなく、そういう存在だから。
その上神座から「何をしても前に経験した気がする」既知感汚染が流れ込んでいるから、倫理的に全力を出せないし新鮮味も感じない、餓えた人生を30年以上続けてきた。
しかもその間『ただその時やるべきことを淡々とこなしてきた』だけでナチス高官になるという才能の持ち主。半ば手抜きでこれだからいかに本気がヤバいかがわかる。

そこに『反目しあうのに惹かれあう』宿主たるメルクリウスが現れて、ハイドリヒ卿の破壊は愛情表現であるのだから何を自重する必要があろうと焚き付けだした。
まだ倫理観を持っていたハイドリヒ卿はそれはよくないと最初は否定するものの、「だったら壊しても復活する新世界を作ればいい」とメルクリウスが提案。魂を取り込む永劫破壊の術を与えられたハイドリヒ卿、自制してきた反動かここで完全にはっちゃける。

この部分を理解しておかないと、ハイドリヒ卿の破壊の愛とか、断崖の果てへ飛翔する彼なりの救済とかの理解が不完全になる。
ハイドリヒ卿は破壊する愛の持ち主で、死への救済者で、神の癌細胞で、当代の神に挑む将でもある。破壊者、暴君の面はそれらのうち一つの側面に過ぎない。

まぁ、長々と書いたけど結論はいつものあれ

カール・クラフト死ね(メルクリウス超うぜえ)!