100/100点 あらゆるものが最上級の贅沢さで提供されている。最高峰の作品の一つ

舞台は夜霧の英国オックスフォード大学魔術学院。魔術士の女の子と相棒の黒猫が、重厚な大門を出て、いまひっそりと旅立とうとしている......。

冒頭から背景画が精緻にして重厚。音楽は生オーケストラとプロ奏者による演奏なので聴いていて非常に心地がいい。
冒頭から初めてのゲーム体験が満載だった。背景画の劇的な切換え効果もその一つ。

地の文は少女の口を借りた形式で洒脱。おしゃまな黒猫が出てきたシーンなんかは、ちょっと三谷幸喜の間を思い出しました。
ライターの堀ノ内先生は、もともと女の子のセリフをとても素敵に描かれる方で、本作ではそれが遺憾無く発揮されていました。
たとえば、カッコイイ、あるいはカッコよくあろうとしてる女の子。黒猫一匹だけ連れて一人でやってきたような孤独な女の子。
でも暗くならないよう、強気であろうとして頑張ってる子。内面描写がとても丁寧。

文章は行間豊饒で味わい深かい。インガノックの桜井光先生の文章を思い出しました。

効果音にも気合い入ってます。少女が箒に乗って上昇していくシーンなど効果音が豪華。出来合いの効果音を持ってきたのではない。少女の心境に合わせて寂しい風音になっている。
芸が細かい。飛び立つときには、これから始まる困難な冒険を暗示するかのように、嵐のような激しい風音に変化する。
しかも、このシーンは動画。雲に上っていく様子が魔女視点でみられる。自分が魔女になって空を上るような上昇体験!

ここではないどこぞの平行世界にはあるのかもしれんな・・・
生憎この世界のDeep Oneはシナリオスカスカ、シナリオゴミ、激薄エロシーン3つだけ、分割商法、キャラ糞とそびえ立つ糞ゲーだけどな