「シナリオに手を加えない」というのは絶対にブレないようにしたいところでしたから。
営業からは「エッチシーンを追加してほしい」という声がありました。例えばよしこ先生は、原作にもエッチシーンがないんです。
「ストーリーに手を加えないのは理解するけど、エンディングの後にでもエッチシーンを追加してほしい」と言われました。
僕もそこは考えないわけではなかったんですが、その部分って結局蛭田さんのシナリオではないわけですよね。
それでユーザーさんは満足してもらえるのか? 追加したエッチシーンがとってつけたように見えないか?
というのもありました。かなり迷いましたし悩みましたけど、ここは最初に思っ通り、原作のままでいこう、と。
シナリオに手を加えると、「なぜこの登場人物はスマートフォンを持っていないんだろう」というような疑問や矛盾が生じてしまう。
シナリオをそのまま使うのであれば、街並みも1990年代のままで行くしかないんです。
テレビはブラウン管だし、ファックスもあるし、ラジカセもある。そういう世界観で行こうとなったとき、背景もマップも当時のままという判断になりました。
ユーザーさんにとってもエッチシーンが増えることは嬉しいことだとは思いますが、ここは敢えて原作通りという判断を下しました。
下手にゲームに手を入れて原作の良さをつぶしてしまえば、リメイクする意味をなくしてしまうんですよ。
『同級生』のリメイクは、そういう小手先の部分で勝負するものではないと思っています。
『同級生リメイク』はあくまでPC版『同級生』のリメイクであって、コンシューマー再移植ではありませんから、
コンシューマーオリジナルのキャラも登場させませんでした