先程カウンターに居た女性が、注文をとりにきた。俺はメニューをざっと見た。
「じゃあ、アイスココアで。」
「はい。かしこまりました。」
「あ、それと、店の入口に貼ってあったアルバイト募集…あれってまだされてますか?」
「えぇ。募集してますよ。」
「そうですか!あの…もしよければ雇っていただきたいんですけど…今店主の方はおられませんか?」
「あぁ、一応私が店主です。ここ、私が一人でやってるんですよ。」
「えッ…あ、そうだったんですか!失礼しました!」
「いえいえ。よく他のお客さんにも言われるんのよ。ここはマスターいついるの?って。女一人で喫茶店やってるの、結構珍しいみたいで。」
確かにその女性は、店の主という感じではなかった。歳も見た感じ20代後半ぐらいで、その辺にいるアルバイトのお姉さんといった感じだった。しかし紛れも無くその喫茶店の店主。正直、少しびっくりした。
「う〜ん…。真面目そうな感じだし、頑張って働いてくれそうね。名前は?」
「あ、○○Yと言います。」
「○○Yさんね。学生さん?」
「いえ、今はフリーターです。」
話の流れでいつの間にか面接になっていた。