>>741続き

中学3年の冬、その頃自分は小学生の妹をほぼ毎週近所の小児科に連れていくのが仕事だった。
そこである日風邪を引いたと言って来ていた山本さんと会い、まぁそこまで親しい訳でも無いので軽く挨拶をしただけ。
昔の田舎の小児科で、そこは待合室から呼ばれ診察室に三組ほど常に待機、診察中はパーティション挟んだベンチに次の順番が座って待つことになっていた。
今言えば配慮の無いやり方だけどずっとそれが普通だったし気にもしていなかった。

先に山本さんが通され、その次として妹と付き添いの自分、もう一人小学低学年くらいの女の子と付き添いのお父さんが通された。
そこでお医者さんが、シャツ捲って胸を出してと言ったのが聞こえた瞬間一気に意識してしまった。
パーティションはしっかりした物で、奥で何か動いているような影は分かるが透けるようなことはない。
でも山本さんがジャージのファスナーを下ろし、シャツを捲ったであろう布の擦れる音を聞いただけで緊張していた。