「しまわなきゃ、誰かに、見られ、ちゃうよ?」
「なつこさんにもっと見て貰いたいからね。しょうがないよ。」
「やだ…。車ここから動かす?でも……」
「でも?」
「下着がビショビショで恥ずかしい」
「……………」
「それに冷たくて、気持ち悪い…」
「だったら出発の前に脱げばいいんじゃない?」
「え?」
「コンビニのトイレに入って、拭いて脱いで来れば?」
「そんなの…恥ずかしいじゃん。スカートも濡れてるかもだし」
「でも車の中で脱ぐと、染みが座席について旦那が気づくかもよ?」
「………………」
少しの沈黙をおいてなつこは、「分かった。行ってくる」と言った。さらに、ふと意地悪な思いつきで俺は、突き放すようにこう言った。
「ブラも取ってこい。脱いだ下着は上下ともちゃんと持ってこいよ」
ふくれっ面だけして返事もせずに、車外へ出たなつこはコンビニの店内へと消えた。