同い年のダチの誠がそっと俺に教えてくれた。
「今夜、竜一先輩の部屋行かね?」
何のことか分からなかった。
前述の通り、俺はあんま好きな先輩では無かったし、どっちかというと関わりは持ちたくない相手だったから。潔癖症気味の紫穂も以前から苦手と言っていた相手。
誠に一人で行って来いと言った時、信じられない事を言い始めた。
「面白いものが見れるのに」
「何だよそれ」
誠は俺の耳元でそっと教えてくれた。
「紫穂ちゃんと上手くいったみたい」
は?なにそれ?上手くいったって、何だそれ、と、一瞬理解不能状態。喧嘩中とは言え、紫穂と付き合っているのは俺。勿論別れてなんかいない。