何年か前、娘がまだ2歳くらいのこと。
鉄ヲタの俺は、平日に仕事が休みになったので、娘を連れてちょっと遠くまで乗り鉄することにした。

朝からいろんな路線を回り、帰宅ラッシュの時間帯の頃に乗った列車は、沿線の高校から下校した高校生でかなり混雑していた。
俺はロングシートに座り、娘を膝に座らせていた。
朝からの長旅でさすがに疲れたのか、無表情で佇む娘。

どこからか乗ってきたJK3名が俺たちの前に立った。
3人で他愛のない会話をしている。
俺の見立てでは2年か3年生、3人とも見た目は地味で真面目だが明るいタイプ。

その真ん中にいたかわいらしい一人が、俺の娘にふと目を向けた。
「ね、ね、可愛くない?」「かわいー」と3人が囁きあってるのが聞こえてくる。
親としては悪い気はしない。
それどころか、可愛いJK3人に目の前に立たれ、ウハウハだった俺は急に注目されて(俺でなく娘にだが)むしろ気まずいくらいだ。