儂としては何を以て宜しいのか訳がわからない
一人暮らしにしては大きすぎるようなお膳に儂を座らせた未亡人は、品を作るようにして水
屋の戸を開け、物は失念したけれども、何かのおそらくは和菓子を振舞ってくれた
飲物は麦茶だったか、塩味が効いていたやうな気がする
「他に誰かを見てはいませんか?」
母のやうな物言いでもあるが厳しさが潜んでいる気もして、それと緩い胸元、もう乳房どこ
ろか赤いものが見えさうな勢いもあって、儂に嘘をつく動機もないが、例え嘘をつこうと思っ
ても無理であったろう心境で大きく頷きつつ
「見てはいません」と答へた