朝日が窓から差し込み、僕はゆっくりと目を開けた。頭が割れるように痛む。二日酔いの感覚とともに、昨夜の記憶が断片的に蘇ってきた。
キッチンからはコーヒーの香りが漂ってきていた。
「起きた?」
義母・美沙子の声がした。いつもの日常と変わらない優しい声色だった。
「あ、おはよう……ございます」
言葉に詰まった。何と言えばいいのか分からなかった。

昨夜の出来事は断片的だが鮮明だった。妻の実家での法事。久しぶりに家族全員で集まり、親戚たちとの会話に緊張して酒を飲みすぎてしまったこと。そして深夜、酔いに任せて美沙子の部屋を訪れた自分。
「昨日のこと……覚えているかしら?」
義母の問いかけに心臓が跳